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2017年11月30日木曜日

「第6回アイドル楽曲大賞2017」に投票してきました

ピロスエさん主催の年末恒例の投票企画「第6回アイドル楽曲大賞2017」に参加してきました。
投票受付期間は12/4(月)23:59までということなので、興味がある方は参加をおすすめします!
昨年度(記事はこちら)に続いて2回目の参加です。楽曲の試聴については今年もサブコンを中心として多種多様な曲を聴かせていただくことができました。
なお個人的ルールとして今回も楽曲部門の投票については、各グループ1曲のみといたしました。
同じグループばかりではなく、より多くのグループにスポットライトを当てたいですからね。
それではいってみましょう!




・メジャーアイドル楽曲部門

第5位 風男塾「証-soul mate-」 [公式PV]

風男塾×Elements Gardenという時点で傑作は保証されているようなものでしたが、
その期待通りの作品でした。サビの真ん中で転調するドラマチックかつシンフォニックな曲展開と
メンバーの迫力抜群の歌唱の融合はお見事としか言いようがない。




第4位 BiSH「GiANT KiLLERS」 [公式PV]

楽器を持たないパンクバンドが歌う、ジャイアントキリングを目指せという決意表明。
こういう曲にはとことん惹かれてしまう。サビのウォーウォーというコーラスからして迫力抜群で勇気づけられる。
「プロミスザスター」のようなポップ路線も良いけど、BiSHの真骨頂だといえる曲はこちらの方だと感じられる。




第3位 Party Rockets GT「START!!」 [公式PV]

まるでこれから大海原へと航海に旅立つかのような、スケール感に溢れる素晴らしき名曲。
透明感のある歌声に加えて、ハードロックの影響を受けたギターのメロディの美しさにハマりました。




第2位 PASSPO☆「PlayGround」 [公式PV]

マイケルジャクソンのスリラーの進化形ともいっていいような洋楽ポップス風のガールズロックで
これは傑作としか言いようがない。ホラー映画をテーマにした曲で、
ミュージックビデオも含めてここまでエンターテイメントとして優秀な作品を届けてくれるとは、
やっぱりこのグループは楽曲パフォーマンス共に別格だと感じられる。




第1位 ベッド・イン「CO・CO・RO グラデーション」 [公式PV]

まさかベッド・インを1位投票する日が来るとは思ってませんでした(笑)
90年代ポップス風で圧倒的にキャッチーな楽曲の良さもさることながら、この歌唱力にやられた。
アイドルでこれほどまでにスバ抜けた歌の上手さを感じられる歌手は、いつの時代にもそう滅多にいない。
90年代で例えるならばKIX・Sというガールズロックユニットを彷彿させるような歌声だと感じられた。
これぞ90年代の進化形アイドルポップスといえるでしょうね。


以上でございます。次点は大阪☆春夏秋冬「Travelin' Travelin'」と
仮面ライダーGIRLS「Time of Victory」。この2曲も本当に元気づけられる曲で
できれば投票したかったですね。メジャー楽曲部門は全部門の中でも一番の激戦でした。




・インディーズ/地方アイドル楽曲部門

第5位 Fullfull☆Pocket「キミトシル」 [公式PV]

歌唱力に未熟な部分があったのが惜しいところだが、楽曲の方はイントロのピアノの
メロディからして哀愁漂う、クサメロ好き歓喜のハードロックナンバーで
まさかこのグループがこんな形の名曲を歌うとはと驚かされました。




第4位 BiS「SOCiALiSM」 [公式PV]

シュールで型破りなスカパンクチューン。メンバーそれぞれの歌声は今まで以上に生きているし、
ブラスバンドのメロディも良い。こういう曲を待ってた。完全復活を決定づけてくれた曲。




第3位 空野青空「3×ザ・ライド」 [公式PV]

ユーロビートを中心にプログレッシヴな曲展開を炸裂させつつも、それでいてメロディはキャッチーさ抜群。
近年のアイドル楽曲がいかに面白いか、いかに進化しているかが分かる曲。
それに加えて「♪3倍速く 3倍強く」といった歌詞が良い。
このような、より速くより強くなってやるんだ!などと歌ってのける曲にはとことん惹かれるしパワーをもらえる。
3×ザ・ライドということでアイドル楽曲大賞の投票でも3位に大抜擢。




第2位 PREDIANNA「STAND UP」 [公式PV]

「♪きっと解ってた 劣等感ってさ」「♪負けて終われない そうでしょ Stand up Buddy」
こんなん自分の人生そのものな曲ですよ。何かと劣等感を持って生きてきた、
だがそんな弱さをも跳ね返してやるんだと言わんばかりのパワーがこの曲には詰まってる。
こういう音楽に今までずっと励まされて生きてきた・・・
バッキバキのデジロックサウンドに間奏ではスクラッチ音なども交えた編曲もカッコ良過ぎ。




第1位 GANG PARADE「FOUL」 [公式PV]

この曲は子供の頃にJ-POPにハマった原点のような音楽だ。辛い時に励まされて、勇気づけられてきた音楽。
メンバーの自作による熱い思いが詰まった歌詞と、伸びやかさ抜群のサビメロの歌唱には
ダンスパフォーマンス同様に天をも突き抜けるかのような迫力を感じられる。
未来への憧れ、そして音楽への憧れが詰まった、1位投票にふさわしい傑作曲。
ちなみにYouTubeのコメント欄に風男塾みたいな曲だなという書き込みがあったのには、
確かにそうだなということで笑ってしまいました。


以上でございます。インディーズ部門も名曲多数の激戦でございましたが、
実を言うと、ぜひ投票したかったにもかかわらずエントリーされてなかった曲がありました。
その曲とは、DEADLIFT LOLITA「SIX PACK TWINS」
元LADYBABYの女装シャウト外国人のレディビアードと、筋肉アイドルの才木玲佳、
現役プロレスラーとしても活躍する2人により結成された
「霊長類最強アイドルユニット」が歌う最強の筋トレメタル楽曲。
これほどまでに面白くて、これほどまでにパワーみなぎる傑作曲が今まであっただろうか。
この曲に限っていえばBABYMETALを超えたとすら思えてくる。
心と体の底からの、魂の叫びっぷりにひたすら興奮、感動、そして一緒に筋トレですよ。
ライブもこちらの記事に書いた通りに素晴らしかった。来年こそは1位投票候補ということでリクエストするんだ・・・




・アルバム部門

第3位 Party Rockets GT「Time of your life」

アルバムレビューはこちら。過去曲の再録が多かったものの
それでも楽曲の方はハードロックを中心としたサウンドの良さが健在。




第2位 風男塾「All Time Best」

結成10周年記念作品。多種多彩なジャンルの楽曲を、熱くカッコよく歌い上げる最強ベストアルバム。




第1位 PASSPO☆「Cinema Trip」

アルバムレビューはこちら。映画の旅をテーマにした作品で
アイドルグループのアルバムとしては史上最高ではないかと思えてくるほどの大傑作。


以上でございます。アルバムはそれほど多くの作品を聴いていないこともあり、
すんなり決まりました。DISDOL「HARERUYA」(レビューはこちら)がエントリーされていれば
こちらも投票候補でしたが・・・ 仮面ライダーGIRLS「invincible」(レビューはこちら)は
前2作と比べるとハードロック・メタルの要素が弱まったのが惜しく感じてしまった。
前2作のリリース時にこの企画に参加できていれば文句無しに1位投票してたのに。




・推し箱部門
PASSPO☆

歌唱やライブパフォーマンスの良さ、楽曲の質の高さや多彩さなど
様々な面を総合的に見た上で、最強アイドルグループは今年もPASSPO☆で決まりです。
これからもずっと投票するとは限らないし来年にはDEADLIFT LOLITAに投票するかもしれないが、
今年は何よりも、映画の旅をテーマにした傑作アルバム「Cinema Trip」を届けてくれた、
そこで更なる進化を見せてくれたというだけで圧勝ですよ。



以上、第6回アイドル楽曲大賞2017の全投票結果でございました。
相変わらず今年もパワーポップ、ハードロック、デジロック系の曲中心で
なおかつメンバーの歌唱力を重視して投票している人なんてのは
滅多にいないのでしょうが、アイドルの楽しみ方は人それぞれですよということで、
自己満足記事を最後まで読んで頂きありがとうございました。こんな面白い企画を作ってくれた
アイドル楽曲大賞の運営の皆さんには心から感謝したいと思います。



2017年11月24日金曜日

[CDレビュー]  SPYAIR「KINGDOM」


SPYAIR「 KINGDOM(初回生産限定盤A)(DVD付)」
(2017/10/11)

1. THE WORLD IS MINE
2. RAGE OF DUST  [公式PV]
3. MIDNIGHT  [公式PV]
4. スクランブル  [公式PV]
5. 君がいた夏
6. THIS IS HOW WE ROCK  [公式PV]
7. BRING IT ON ~Battle of Rap~
8. Don't Look Back
9. Brand New Days
10. C!RCUS
11. Goldship
12. Be with  [公式PV]
お気に入り度:★★★★★★★★★☆ (9.5/10)




SPYAIRの通算5枚目のオリジナルアルバム。曲調の多彩さは前作以上でありながらも
芯は全くブレてない。さらなる進化を遂げながら突き進む姿が見える作品。

まず1曲目「THE WORLD IS MINE」から前作以上にエモーショナル。
ストリングスを取り入れた迫力あるサウンドに加えて、サビの真ん中で転調するという
ドラマチックな曲展開は、まるでElements Gardenが編曲したみたいだと感じた。

2曲目「RAGE OF DUST」はガンダムの曲は名曲ばかりというのが分かる
熱血ラウドロックナンバー。歌詞からも必死さが伝わってきて素晴らしい。
「♪ヒリヒリと生き様を その為に死ねるなにかを この時代に叩きつけてやれ」
こんなん今でも先週のスライディングの擦り傷がヒリヒリしてるような自分には共感しまくりっすよ。

3曲目「MIDNIGHT」はタイトル通りに夜の街の輝きが目に浮かぶかのような
セクシーな歌謡ロックチューン。シングル曲として聴いた時は
新境地に辿り着いたと感じさせられた。思わぬ切り口から名曲が飛び出した。

4曲目「スクランブル」は銀魂の曲は名曲ばかりというのが分かる王道ロックナンバー。
俺達はここにいるんだと言わんばかりにでっかい声を発し続けてやるんだ、これぞ青春だ、
こういう曲は思わず一緒に歌いたくなる。カラオケでも歌いたくなるに決まってる(笑)
「♪曇天の切れ間から いつか見える銀色の空」といったラストの歌詞を聴くと
DOESの曲を思い出すが、SPYAIRはむしろ青空が似合うバンドだし、銀色よりも金色だ、
銀メダルではなく金メダルを獲ってやるんだ!と歌って欲しいバンドだ。銀魂ではなくきんた・・いや何でもない。

5曲目「君がいた夏」はほんのり切なくもポップなメロディが印象的なラブソング。
間奏のギターのメロディも良い。90年代ならばドラマ主題歌で大ヒットしそうな
曲だったのにと思ってしまった。シングル曲でも全然いけたはずの名曲。

6曲目「THIS IS HOW WE ROCK」はサビの伸びやかなメロディが気持ちいい上に
誰かを叩くぐらいならば自由になるまで常識ってやつを叩けなどといった歌詞は
ロック魂を感じられて本当に良い歌詞描いてるよな・・・
同時にこの曲の歌詞は自分も含めた陰湿なネット民に喝を入れているようにも見えてくる。
ジメジメした空気を熱風で除湿してくれるかのようなバンドが好き。

7曲目「BRING IT ON ~Battle of Rap~」はラップ中心のミクスチャーロック。
8曲目「Don't Look Back」はライブ感、一体感が満載な曲で
お前だってできるんだ!といったメッセージの数々に励まされる応援歌。
9曲目「Brand New Days」はイントロからダンサブルなリズムが弾けるデジタルロック。
10曲目「C!RCUS」ではブラスバンドでジャジーに味付けした曲といった感じで
アルバム後半の曲調の多彩さは聴いていて楽しい。もう一本調子とは言わせないぐらいに。

11曲目「Goldship」は仲間や友人との絆を歌った曲。
「♪たまには肩を並べながら あの頃、俺たちバカだったと飲みながら」
といった歌詞を聴くとまるでTHEイナズマ戦隊みたいでそりゃ対バンするよなと思った。
このように飲みっぷりもしゃべりっぷりも豪快な男でありたい。ビール瓶持って暴れたりはしないけど。
12曲目「Be with」はストリングスのメロディのスケール感が加わったバラード曲。
シングル曲として聴いた時以上に、アルバムのラストでより輝いていると感じられた。

ボーカルのIKEさんの歌声を聴いてみるとやはり4、5曲目などは一部ハスキー気味で
今でも喉の状態は決して良いとはいえないんだろうなと感じられる中で、
それでも必死に歌い続けているのが伝わってくる。さらに歌詞からも必死さが伝わるし、
より多くの人達に聴いてもらえるようにメロディのキャッチーさを大事にしているのも分かる。
もしも音楽好きの人達の世界の中でこれが評価されないのであれば、
正直者が馬鹿を見る世界になってしまったのか・・・とすら思えてくる。
ナヨナヨひねくれたバンドよりもガツンと魂の直球勝負をやってのけてくれるバンドを
これからも聴き続けていきたいと思える。今作では変化球の使い方もうまくなっているが
やはり基本はストレートに熱いメッセージを全力で届けてこそ素晴らしいんだ、
心を突き動かされるんだ、これこそが音楽の持つパワーなんだとあらためて感じられた。
過去のアルバム作品と比べても今作が最高傑作でしょう。やっぱり売れてる若手バンドの中ではトップクラスの力があるバンドですね。







2017年11月21日火曜日

[CDレビュー]  DOLL$BOXX「high $pec」


DOLL$BOXX「 high $pec【初回限定盤】(CD+DVD)」
(2017/11/8)

1. Shout Down  [公式PV]
2. Sub-liminal  [公式PV]
3. HERO  [公式PV]
4. 世界はきっと愛を知ってるんだ  [公式PV]
5. Dragonet  [公式PV]
お気に入り度:★★★★★★★★★☆ (9.5/10)




DOLL$BOXXのミニアルバム。元LIGHT BRINGERで現在はFuki Communeなどで活躍中の
実力派女性ボーカリストのFukiさんと、Gacharic Spinの楽器隊4人により結成された
最強ガールズバンドの作品。前フルアルバムから約5年ぶりの復活リリース。

今作は試聴の段階から大いに期待した通りに、前アルバム「DOLLS APARTMENT」
よりもハードロック・メタル色の強い作品となっていた。
持ち前のメロディの良さを生かしつつも、ひたすらカッコいい路線を突き進む作品。
Gacharic Spinとしてはよりポップな曲中心の前アルバム「確実変動 -KAKUHEN-」
ではやりたくてもできなかったような曲を思う存分やってのけてくれた。
そしてFukiさんはシリアスなロック系の曲でこそ最大級の魅力を発揮する
ボーカリストだとあらためて感じられた。序盤の1曲目「Shout Down」、
2曲目「Sub-liminal」と立て続けにGacharic Spinの圧倒的演奏力と
Fukiさんの圧倒的歌唱力が響くアッパーチューンを聴かせてくれて、
これには大興奮。ベースの活躍っぷりもキーボードの使い方のうまさも
ドラムを叩きながら歌うはな兄さんのコーラスも他のガールズバンドには無い魅力。

3曲目「HERO」はGacharic Spinでは滅多にやらないはな兄さんのグロウルから始まる
ミドルテンポ調のアニソン・ゲーソンみたいな曲。
4曲目「世界はきっと愛を知ってるんだ」は今作の曲の中では唯一
前アルバムを彷彿させる明るめの路線。それでもイントロからの爆発的演奏は圧巻、
そして何より「♪気づいーーーたーーーよーーー!!」このサビのFukiさんの
ド迫力ハイトーンボイスがスゴ過ぎてこれだけで100点満点と言いたくなる。
こんなん気づくに決まってる!たとえパチンコ店の真ん中で歌ったとしても店内にいる人全員が気づくレベルだ。
5曲目「Dragonet」は龍をモチーフにしたスケール感溢れるミドルバラード。
この曲も含めて全曲の作詞を担当したFukiさんは相変わらず作詞家としても
存分に才能を発揮している。そしてアニメやゲームが好きなのも十分に伝わってくる。
曲名はドラゴンクエストをもじったのではないかと思う。ドラゲナイとは全く関係無さそう。

前アルバムは良い作品ではあったものの、どちらかというと
FukiさんがGacharic Spinのカラフルな曲を歌ってみたといった感じに思えて、
こういう曲ならばはな兄さんとオレオ様が歌えばいい、Fukiさんはむしろ
ダークテイストがかったロック系の曲を歌う方が声質的に合っていると思う、
なので1回限りの夢のコラボということで今後はそれぞれGacharic Spinと
LIGHT BRINGERで頑張って欲しいとこちらに書いたものでした。
だがその後LIGHT BRINGERが実質解散の活動休止となってしまったのは残念だった。
そしてあらためて今作を聴いてみると、この路線ならばDOLL$BOXXをGacharic Spinや
Fuki Communeと並行して活動し続けていってもいいんじゃないかと思えた。
両者の魅力が存分に詰め込まれた、名実ともに最強のガールズバンドだ。
Fukiさんもこれだけの実力がありながら、最近の活躍といえばテレビ東京系列の
カラオケバトルでCyntiaのSAKIさんと共に高得点を出したことぐらいしか無いというのは
もったいなさ過ぎる。DOLL$BOXXで有名音楽フェスに出るところなども見てみたい。
初見の人をアッと驚かすほどの圧倒的なライブステージを見せてくれるはず。
それぐらい幅広い活躍を今後とも期待したくなりますよ!







2017年11月12日日曜日

[CDレビュー]  沼倉愛美「My LIVE」


沼倉愛美「 My LIVE(初回限定盤A)(Blu-ray Disc付)」
(2017/6/14)

1. 叫べ  [公式PV]
2. Climber's High!  [公式PV]
3. Good Day
4. Smiling & Smiling
5. Spiral Flow
6. Anti-Gravity
7. Shining Days
8. ハレルヤDrive!
9. Hello,Ms.myself
10. 屋根上の朱い花
11. 暁
12. My LIVE  [公式PV]
お気に入り度:★★★★★★★☆ (7.5/10)




声優歌手、沼倉愛美の1stアルバム。今作はとにもかくにも2曲目に収録された
先行シングル曲「Climber's High!」が、90年代ガールズロックを彷彿させるような
メロディの詰まった大傑作。Bメロの展開が良いのに加えてサビの開放感が最高で、
おまけにCメロでさらに高みを目指すかのような疾走感も加わることで
目の前に果てしないまでの夢と希望が広がっていると感じさせられる曲。
そして歌唱も素晴らしい。ガールズロック歌手の中にはドロっとクセの強い
歌声を放つ歌手もいるがそれとは対照的に、ぬーさんは歌声もルックス同様に綺麗。
「♪心に熱い風纏って 駆け上がって行こうぜ」と歌う姿はまるで
人々に勇気と感動を届けてくれる美人アスリートのよう。熱く爽やかな風を届けてくれた。
この曲が収録されているというだけで今作を手に取る価値があると言える。
本当にどれだけ励まされたか・・・一緒に駆け上がりたいと思える。

ということで1、2曲目の先行シングル曲を聴いた時点で今作には大いに期待していたが、
続く3曲目の「Good Day」という大人っぽくて洒落たポップスを聴いた時点で
早々とこれじゃないんだと感じてしまった・・・
5曲目「Spiral Flow」、6曲目「Anti-Gravity」ではEDMサウンドで
楽曲自体は良いのだが、まるでfripSideみたいな曲が2曲連続で来たのも予想外。
9~11曲目はバラード曲3連発。この中では「Hello,Ms.myself」が
バンドサウンドで良かったが、バラード系ならば2ndシングルのC/W曲の
「星の降る町」が伸びやかなメロディの光る、一番の名曲だったように思うんですよね。

今回期待通りだった曲は8曲目の「ハレルヤDrive!」。
晴れ空の下を駆け抜けるような爽快感のある曲で、タイトルからして
車のカーステレオで聴くことを推奨する曲。WEST GROUNDが作曲した曲は
名曲ばかりということが分かる。なので今作を完全プロデュースしても良かったのに。
さらにラストナンバーのアルバムタイトル曲「My LIVE」は本人作詞曲で
そこまで言い切れるかというほどの熱いメッセージ連発の名曲。
「♪あなたの選択は概ね正解です」そうであって欲しい。迷わずに進む姿は美しい。

ここまでの先行シングル曲がC/W曲なども含めて90年代風ガールズロック&
ガールズポップの進化形といえる曲ばかり、それだけに今作は
2010年代版田村直美みたいな作風のアルバムになるのではと期待していたし、
実際にその路線が歌声に合っていると感じてただけに・・・
アニソン・声優系アーティストは総じて様々なジャンルをまたいだ楽曲を歌い、
アルバムに多様性を感じられるというのが良いところでもあるのだが、
やっぱり3、5、6曲目みたいな曲を歌うアニソン系歌手なら他にいくらでもいるわけで。
「Climber's High!」で美人ランナーと化したぬーさんならではの魅力が詰まった
バンドサウンド中心の作品を、次作では聴いてみたいですね。







2017年11月10日金曜日

[ライブレポ]  バックドロップシンデレラ、Gacharic Spin「サンシャインとウンザウンザを踊るツアー」

11月5日(日曜日)大阪・umeda TRAD(2017年4月にumeda AKASOから改名)
にて開催された、バックドロップシンデレラの2ndミニアルバム
「真夜中の太陽を君は知らない」のリリースツアー
「サンシャインとウンザウンザを踊るツアー」に行ってきました。
対バンにGacharic Spinを迎えての2マンライブ。今勢いがあるバンドの対バン相手に
Gacharic Spinが呼ばれたというのが嬉しかったので行くことにしました。
今回の共演のきっかけはバックドロップシンデレラのドラマーの鬼ヶ島一徳さんと
Gacharic Spinのリーダー&ベーシストのKOGAさんが、かつてのバイト先の先輩と後輩で
10年来の友人関係にあるということから実現したらしいです。
それならばむしろ対バンするのが遅すぎたような気もするが、
こんな組み合わせを待ってたといえるようなライブに、ついに行くことができましたよ。




・Gacharic Spin

[セットリスト]
・More Power
・赤裸ライヤー
・タリナイヤ
・JUICY BEATS
・Ben-Jan-Dan
・シャキシャキして!
・Lock On!!
・ダンガンビート
・BROKEN LOVER

今年の7月31日ににパフォーマーのねんねちゃんが難聴を理由に卒業、
5人体制になってからは初めてライブを観ることに。
今回も1曲目「More Power」から圧倒的な演奏パフォーマンスを見せてくれる。
間奏のベースソロではパフォーマーのまいちゃんが後ろで幕を掲げるも
そこに書かれている文字が熱血から激熱に変わってたのはいつの間に?
2曲目「赤裸ライヤー」ではAメロ部分でまいちゃんが1人でセクシーポーズを
決めているのを見ると、その横にねんねちゃんがいない寂しさを感じてしまった。
だがその一方でオレオ様がキーボードに乗っかってブラジャーを光らせてる姿が
セクシーダイナマイトだった。年を重ねるごとに貫禄が出てきてるような気がする。

MCではまずはリーダーのKOGAさんが、バイト先で出会った頃の鬼ヶ島さんについて
当時は真っ赤な髪の毛を突っ立てていて怖そうな人だと思ったが
話してみたら優しかったなどといった話から、メンバーの皆さんの
アルバイト話へと展開。オレオ様はテレアポのバイト経験があるそうで、
テレアポならば受話器の前で白目剥きながらでもできるから良かったとのこと。
そんなオレオ様がやりたかったにもかかわらず唯一面接で落とされたバイトが
メイド喫茶だそうで、面接の時にはメイド喫茶での名前は「ミケ」と呼ばれたいと
お願いしたにもかかわらず落とされたと話すと、観客の皆さんからは
ミケコールが巻き起こり、この日は1日ミケと呼ばれることに(笑)
そんなメンバー達の中でまいちゃんはバイトの経験が無いということを話すと、
リーダーのKOGAさんが自ら、まいちゃんとは11歳離れていることをカミングアウト。
ただGacharic Spinはメンバーの年齢を公表していないため、
「もしかするとまいちゃんが9歳で私が20歳かもしれない」と言ったのには笑ってしまった。
確かにそうだな、だとしたらリーダーも9歳の頃には既にバンド活動してたってことか!
なおネットで調べたらメンバー全員の年齢が分かってしまうとも言ってました。
それぐらいメンバー間で年が離れているということでジェネレーションギャップを
感じることがあるのを新曲のネタにしたという話が。この流れで披露かと思いきや
「ジェネレーションギャップ、今日はやりません」いややらんのかい!
当ブログのCD感想ではこの曲がシングルA面曲というのはどうなんだと書いたが
ライブだと化ける可能性があると思ってたので、どんなステージングを見せてくれるか
期待してたんですけどね。その代わりに今日はマジメな方の曲をやるということで
新曲のカップリング曲「タリナイヤ」を披露。アニソンっぽい曲でマジの名曲。
まいちゃんはタンバリン担当でダンスは無しの、聴かせるステージでした。

「JUICY BEATS」では初見の皆さんをアッと言わせる、光る輪っかと手袋を使った
ライブパフォーマンスが。今回もバクシンのファンの皆さんからおーっ!と
歓声があがったのを聞くと嬉しくなる。まだ観たことが無い人には
ぜひライブを体験して欲しいと思う。超絶キャッチーなデジタルサウンドに加えて
まいちゃんとオレオ様のパラパラ風ダンスがとても楽しくて一緒に踊りたくなる。
こんなガールズバンド見たことないという初期のキャッチコピー通りの大傑作。

「Ben-Jan-Dan」では曲中で合いの手と振り付け講座が行われることになり、
観客の皆さんを昭和チームと平成チームに分けて、どっちがより声を出して
盛り上がれるか対決することに。チーム分けをしてみると昭和チームの方が
はるかに人数が多い。なんでこんなに20代以下の平成生まれが少ないのか・・・
それでもライブステージの方は楽器隊のソロパートなども盛り込まれた
多彩なパフォーマンスを見せてくれて、これぞ全力エンターテイメントといえるライブでした。
「シャキシャキして!!」はメガシャキのCMでオンエアされていた曲で
初めての人も見聴きした覚えがある曲だったからか、サビ部分で振り付けを
一緒にマネして踊る人が続出。やっぱり代表曲があるというのは強い。
そこからラスト3曲の「Lock On!!」「ダンガンビート」「BROKEN LOVER」は
あらためて見ても圧巻としか言いようがステージだった。
バックドロップシンデレラも高い演奏力とノリの良い楽曲が持ち味だが
それをも超えてやるんだと言わんばかりの気迫が伝わってきましたよ。

ライブ後にツイッターを検索してみると初めての人やバクシンのファンにも
軒並み好評だったようで、予想の150倍ゴリゴリだったという感想も見かけるなど
演奏力とライブパフォーマンスのスゴさを多くの人が感じてくれたのが良かった。
一度見てみると本当に良いと言ってくれる人が多いというのは
ライブ後にリアルで聞こえてくる声の一部を聴いていても分かる。
なのでジャンルとかファン層とか気にせずどうか一人でも多くの人に
ライブを体験して欲しいとあらためて思いました。
なんなら次はバクシンに打首獄門同好会も加えての3マンライブってのはどうですか?




・バックドロップシンデレラ

[セットリスト]
・歌わなきゃジャクソン
・台湾フォーチュン
・チャカしてリヴァプール
・めんどくさいうた
・バイトやめよ
・フェスだして
・日本の米米WAR PIGS
・フェスでれた
・COOLです
・太陽とウンザウンザを踊る
・将軍はウンザウンザを踊る
・月あかりウンザウンザを踊る
・さらば青春のパンク
・池袋でウンザウンザを踊る
(アンコール)
・6人のおっさん
・一週間

計16曲


ライブを体験するのは昨年のMINAMI WHELL(レポはこちら)以来で今回が3回目。
1曲目「歌わなきゃジャクソン」からいきなりボーカルのあゆみさんが
観客たちの中にダイブして大盛り上がり。「ウンザウンザ」と名付けられた
独自の民族音楽風ミクスチャーバンドサウンドにのせて、一緒に踊り出す人続出、
モッシュやサークルなども起こりその中にも入ったりして最高に楽しかった。

MCではドラマーの鬼ヶ島さんに対して、今回KOGAさんとの初共演が実現したということで
他のメンバーの皆さんや観客達が「キス!キス!」「接吻!接吻!」などと
度々はやしたてていたのが面白かった。そういう関係ではないとのことらしいが。
さらにリーダーのペリーさんはGacharic Spinのことを気に入ってくれたようで
同じガールズバンドではつい先日Su凸ko D凹koiというバンドと対バンしたが、違う、
Gacharic Spinの方が好きだなと言ってくれたのはファンとして嬉しかったです。
ちなみにSu凸ko D凹koiはDRAGON GIRLS CARNIVALというフェスで今年1度見ましたが
感想はこちらに書いた通りなので、ペリーさんが違うと思ったのはよく分かる。

ライブ中盤には今回期待していた曲である「フェス出して」も披露。
この曲を最初に聴いた時はいやいやあなた達は十分フェス出てるじゃないか、
少なくともGacharic Spinの倍以上は出てるんじゃないの?と思ったのはさておき
今まではお客さんと一緒に出せ出せと言ってたが、最近になって
お客さんのおかげでフェスに出してもらってるということが分かったという
ペリーさんの言葉にはファンの皆さんから大きな歓声が。
そして曲が始まればサビの部分では両手を合わせてお願いポーズを
一緒にやって盛り上がるなどもできてとても楽しかった。
その次には打首獄門同好会「日本の米は世界一」のブラックサバス風カバー、
題して「日本の米米WAR PIGS」を披露。歌詞が聞き覚えあるなと思いきや
やっぱり打首の曲だったか! なおこの曲は公式ツイッターでも公開中のようです。

ライブ後半ではフロア全体を使って大きく輪になって肩を組んで盛り上がったり、
さらにボーカルのあゆみさんがフロアに乗り込み、後方に集まっていた
ガチャマン&ピン子(Gacharic Spinのファン)の皆さんの目の前まで行って
大きな声でお礼をするなどのパフォーマンスも見せてくれました。
するとライブ終盤の「さらば青春のパンク」「池袋でウンザウンザを踊る」では
フロアのやや後ろの方にいるガチャマン達も踊り出したりモッシュが起きたりと
見事にバクシンのライブのノリに引きずり込むこと成功。ガチャピンはノリ方が違うものの
どちらのファンも楽しめるライブになったようで、本当に良かった。

アンコールのラストではロシア民謡のカバー曲「一週間」を披露。
曲後半に行くほどに演奏が超高速になっていくのは何度見ても圧巻。
その曲の間にGacharic Spinのオレオ様がステージに登場し、ボーカルのあゆみさんに
光るブラジャーを装着させてすぐさま退場したのには笑ってしまった。
まさかこんな形でのコラボステージが見られるとは予想外だ。
なお曲が終わると手を振りながらメンバー全員が退場してそのままライブ終了。
光るブラジャーに誰もツッコまずに終わってしまうとは・・そこはツッコまないと!


総評すると2組ともスゴいライブをやってくれるバンドだ。なのでどうか
2組とも好きになってくれる人がどんどん増えて欲しい。そう思わずにいられなかった。
現状ではファン層も違うし音楽性も一見すると全然違うように聴こえるが
この両バンドに共通することは、楽曲のノリが良くて演奏テクがスゴいということ、
さらにはその楽曲や演奏にメタルの影響を感じられるということでしょうね。
Gacharic Spinは言わずもがなそうだし、バックドロップシンデレラも
「メラメラ」という曲で自分たちの音楽はメタルがルーツだと歌っている。
この曲はベスト盤から漏れてしまってるしライブでも未だ聴けてないのが残念。
個人的には今回一番聴きたかった曲だった。なぜ扱いが良くないのか・・・
ともあれ、そういった理由もあって両バンドには以前から密かに対バンを期待してました。
なので次も見てみたいし、次に対バンするときはセッションも見てみたいですね。



2017年11月5日日曜日

[ライブレポ]  May'n 5thアルバム「PEACE of SMILE」発売記念イベント

11月4日(土曜日)大阪・あべのキューズモール 3Fスカイコートにて開催された
May'n 5thアルバム「PEACE of SMILE」発売記念イベントライブに行ってきました。
1stアルバムからずっと聴き続けていたにもかかわらず、意外なことに
実はライブをまだ一度も見たことがなかった歌手の1人でした。なのでやっとですよ。
数年前に奈良ネバーランドでライブをやってくれた時はぜひ行こうと思ったのだが
チケットがとれずでしたからね・・・また来てくれるなら次こそは行きますよ。


[セットリスト]
・運命の太陽
・あたらしいそら
・終わらない夢
・Banggin' Your Head
・Shine A Light


定刻の14時にライブスタート。まずは1曲目にニューアルバムから
「運命の太陽」。王道ハードポップナンバーでさっそく盛り上がる。
続くMCでの話によると大阪でインストアライブを開催するのは4年ぶりで、
あべのキューズモールは今回が初めてとのこと。「ここが噂のあべのキューズモールか~」
さらにこの日は2時頃だけが雨予報で(実際この時だけ曇っていた)
気温も寒くなることに対して、なんてことだ~と困り顔を見せていましたが
きっと熱くなり過ぎて倒れる観客が出ないようにお天道様が温度調節してくれたんですよ!

続いてはニューアルバムの初回限定版CD収録曲を3曲立て続けに披露。
28歳となり大人になったからこそ歌えると語ったバラード曲「あたらしいそら」、
さらに「終わらない夢」、そして今回聴けるとは思ってなかった
激ロック系バンドのSALTY DOGのメンバー提供曲「Banggin' Your Head」
を歌ってくれたのは一番嬉しかった。個人的には言うまでもなくこの曲が最強。
サビのキーが高くてテンポも速くて歌いこなすには難易度の高い曲を見事に歌う
May'n部長の歌唱力はやっぱりスゴい。やっと生歌を聴けたが期待通りでしたよ。

曲終了後のMCでは、ニューアルバムにはWake Up Girlsとのコラボ曲
「One In A Billion」のソロバージョンが収録されているという話で
「聴きたいよね?聴きたいよね?」と言った直後に「One In A Billion」を
アカペラで1コーラス歌い始めるというサプライズ(笑)これがまた歌上手過ぎ、
この日一番のド迫力を感じたといっても過言ではない、会場もそりゃ盛り上がる。
もしこの場にWake Up Girlsのメンバーがいたら公開処刑になりかねなかったぞ。
そしてラストナンバーに最新アルバムのリード曲「Shine A Light」を披露
洋楽ポップス風の曲で、アニソンを歌う前はこんな感じの曲中心に歌ってましたからね。

今回計5曲も歌ってくれるとは嬉しかった。ジャンル的にバラバラな感じはあるし
個人的には「キミシニタモウコトナカレ」のようなパワーポップ・ハードポップ曲こそが
最も求めているものなのだが、それでも多種多彩な楽曲を高い歌唱力をもって
聴かせてくれるのはこれぞアニソン系アーティストの大いなる魅力だと言える。
なのでまだまだ第一線で活躍した欲しい歌手の1人ですね。またライブに行ってみたいです。



2017年11月4日土曜日

[ライブレポ]  Aldious Tour 2017

10月29日(日曜日)、奈良NEVERLANDにて開催された「Aldious Tour 2017」
に行ってきました。2年連続2回目の奈良公演をやってくれるガールズバンドなんてのは
おそらくAldiousだけでしょうね。ということで地元民としては行くしかない。



まずは最新アルバムのリード曲「Utopia」、これが1曲目なのはは予想通り。
「♪太陽みたいに大きく 星空よりも輝く 本当はねそんな人にボクはなりたい」と
これまで以上に前向きな思いがこめられたガールズメタルナンバーでのっけから最高。
イントロが流れた瞬間に圧縮が起きて一気に前の方に行くこともできました。
この系統のバンドのライブで圧縮が起きたのを見たことは今までほとんど無いのに
奈良ネバーランドのAldiousでは2年連続2回目。以前にホンマでっかTVでの
奈良出身芸能人特集の回に出ていたお笑い芸人は、奈良はライブ慣れしてない人が
多いのでライブをやっても盛り上がらないなどと言ってたのを見たが、
少なくともAldiousのライブでは全くそんなことないですよ!
てかそのお笑い芸人は単にネタの面白さが足りなかっただけでは・・・
続く「梅華」ではボーカルのリノさんがファルセットで高音を響かせながら
夜蝶のようにユラユラと舞いながら歌う姿に美しさを感じられた。
こういうロック系の曲だと楽器隊の演奏の音量が大きいと歌声が埋もれてしまうが
個人的には耳栓がいるほど大きいよりはこれぐらいの音量でちょうどいいと思う。
他ではありえない、このバンドにしか出せない魅力であることは間違いないですからね。

中盤にはアコースティックコーナーとして、リノさんとトキさんの2人によるユニット
「レモン」が登場。このコーナーは気づいたら30分近くしゃべってしまうほど
トークが弾むコーナーでもあるとのこと。まずトキさんの話によると、
何やらリノさんはライブツアーをやる度に、奈良にはいつ行くの?と聞くほど
奈良のことを気に入っているらしいです。これは地元民として嬉しいですよ、
人口あたりの音楽ライブ開催回数が47都道府県で一番少ない県に来てくれるだけで!
そして今回もライブ前日にリノさんはメンバー達と一緒に奈良公園に行ってきたそうで、
そこで鹿せんべいをあげた瞬間、鹿さん達に一斉に寄ってこられるのが
バンドマンの本能として嬉しい、たとえ鹿せんべいが目当てだと分かっていても
嬉しいといった喜びの言葉が。そんなリノさんが奈良にちなんだ曲を
1曲見つけたということで、まずはこの曲をトキさんに捧げる曲として歌うと宣言、
そしてアコギ弾き語り形式にて歌われた曲は「♪一生一緒にいてくれや」
まさかの三木道三。奈良県生駒市出身の歌手なのは知ってたがこのライブで
一発屋要員(?)として有名な歌手の曲を1コーラス聴けるとは予想外で面白かった。
そんな一生一緒にいてくれやというメッセージに対してトキさんは
「何だかウソくさい」と言ってしまい、これには会場からは笑いが。
そんなこと言ったらおしまいだ(笑)その理由としてはリノさんの作る歌は
ひねくれた歌詞が多いからだと。これに対してリノさんはそんなつもりは無いとのことだが
確かにそういうイメージはありますね。それだけに「Utopia」みたいな曲を
最新アルバムの1曲目にもってきたのは意外に感じましたよ。
そして最後に、11月リリースのミニアルバムで初めてレモンのアコースティック曲が
CD化されることが発表され、その中から新曲「Happy Birthday」を披露。
アコギにのせてしっとりと美声を聴かせてくれました。バンドとはまた違う魅力。

レモンのコーナーの後は再びバンドセットに戻り、まずは楽器隊の皆さんが
ギターソロ、ベースソロ、ドラムソロなどを次々と披露。
サワさんのベースソロはいつ見ても本当に楽しそうに演奏してるよなと。
Gacharic SpinのギタリストのTOMO-ZOさんとニコニコ度ではいい勝負だ。

そしてライブではすっかりお馴染みのキラーチューン「Dominator」は
あまりにも熱すぎて、ドラマーのマリナさんもあまりにも激しく演奏したばかりに、
バスドラが破けるというまさかのハプニングが。こんなことはバンド史上初らしい。
これには曲終了後に奈良ネバーランドのスタッフが登場し、急いでバスドラの
修理をすることに。この間どうやって時間を埋めようかということになり、
まずは観客のリクエストにより「Luft」をバスドラ無しで1コーラス披露。
続いてはリクエストで「Ground Angel」という声があがったので
イントロまで演奏するもその先はドラム不在の影響か息が合わずに終わってしまい、
「Ground Angelのイントロでした~」やっぱりドラマーって大事だよな。
続いてはリノさんが観客の皆さんに質問をすることに。まずは「奈良県から来てる人~」
これに手を挙げた人が少ない!私から見える範囲だと5人ぐらいしかいなかったし
高校野球の天理高校よりも奈良県民率低いんじゃないかと、これではこの会場で
ライブをやる意味が無いと思われかねないので、奈良の皆さんもっとAldiousに
興味持ってくださいよ。でもリノさんが鹿さんに会いたいそうだからこれからも来てくれるか。
どこから来たかという質問に対してはやはり大阪がダントツで多く、
遠くから来た人では埼玉と3人立て続けに声があがり、さらには神奈川からという声も。
ライブと観光を兼ねて(?)遠くから来てくれる人がいるのは良いことだ。
奈良は夜の娯楽が少ないと言われてるのでいっそのことライブをどんどん誘致したらいいのでは?
そんなやりとりをしている間に、奈良ネバーランドのスタッフの協力のおかげで
バスドラの修理が完了。よくぞ直してくれましたよ、これこそが匠の技だ。


続いては観客の皆さんと一緒にライブを作ろうということでクラップ講座が行われ
最新アルバム曲の中では最もポップで楽しい曲「Without You」を披露。
観客たちも一緒に両手を挙げてパチパチと手拍子をして盛り上がる。
そしてこちらもライブの恒例行事であるサワさんによる告知コーナーでは、
ライブツアーの日程の告知で佐賀や長崎の後に「おおぶん」と言ってしまい
これには何だ?という空気が会場内に流れるも、直後にそれは
大分のことだというのが分かり一同爆笑。さすが見るからに天然キャラだからなぁ。

そしてライブ終盤では最新アルバム収録曲から「IN THIS WORLD」という
今回のライブで特に楽しみにしていた曲が。これが期待通りのヘドバン曲、
ライブパフォーマンスの激しさと華やかさが圧巻だった。
これには一緒にヘドバンして興奮しまくり、この日の優勝曲ってことでいいですよ。
その流れのまま本編ラスト曲で「White Crow」、そしてアンコールのラストは
「Ultimate Melodious」と鉄板曲連発で大盛り上がりのままライブ終了いたしました。

持ち前の激しさと美しさに加えて、ライブだと楽しさもより一層感じられる。
楽曲も演出もバラエティに富んでいているからこそであり、それと同時に
メンバー5人それぞれに個性と魅力を感じられるからこそでしょうね。例えるならば、
リノさんはダークな夜蝶、トキさんはコテコテの関西人キャラ、よっしーは大人のアゲ嬢、
サワさんは不思議ちゃんキャラ、マリナさんはテリー・ボジオさんの義娘といった感じで。
何より楽曲がどの曲もメロディアスで、ハードロックやメタルをベースにしながらも
ポップスやバラードやアコースティック曲と多彩な要素が組み込まれているからこそ
より楽しいと思える。最高のガールズバンドでありライブバンドですよ。
ライブに行くために毎回CDアルバムを買ってるといっても過言ではないほど。
バンド系のライブが好きでまだAldiousを見たことが無い人には、ぜひ一度生で体験して欲しいと思いますね。







2017年11月2日木曜日

[ライブレポ]  ANTHEM「ENTER THE NEW WORLD -Live Circus vol.3-」

10月28日(土曜日)岡山・Livehouse IMAGEにて開催された、ANTHEMのライブツアー
「ENTER THE NEW WORLD -Live Circus vol.3-」に行って来ました。
1985年にメジャーデビュー、そして1992年に一度は解散するも
2001年に再結成し完全復活を果たした、日本を代表する正統派ヘヴィメタルバンド。
ボーカルを2014年まで務めていた坂本英三さんは、JAM Projectの初代メンバーでもあることから
JAMにドハマリした直後の時点でANTHEMも聴いていてその頃から良いなと思ってましたが
今年6月にリリースされた最新アルバム「ENGRAVED」を聴いて、
こんな素晴らしいバンドのライブステージをなぜ今まで一度も観たことがないのかと、
SEX MACHINEGUNSやTHE冠のライブは何度も行ってるのにANTHEMは行ったことないってのは
どう考えてもおかしいと、そう思い立ったので行くことにしました。
なお今回のツアーで西日本でのライブは岡山と、翌日29日の京都の2公演のみ。
29日は奈良ネバーランドにてAldiousのライブに行くことが決まっていたため
ライブでは初めて岡山まで足を運ぶことに。神戸より西は初めてなんですよね。



会場は岡山市の表町にあるLivehouse IMAGE。収容人数約250人のライブハウスで
アーティストとの距離の近さは抜群ながら、ステージが低いので後ろの方からは
見えづらいのが難点かなぁ。ある意味奈良ネバーランドとそっくりだ。


[セットリスト](公式Twitterより引用)
・ONSLAUGHT
・ETERNAL WARRIOR
・THE ARTERY SONG
・FAR AWAY
・RESCUE YOU
・ECHOES IN THE DARK
・GOTTA GO
・GHOST IN THE FLAME
・MIDNIGHT GROWL
・GYPSY WAYS
・SHOUT IT OUT!
・VENOM STRIKE
・BOUND TO BREAK
(アンコール1)
・THE JUGGLER
・WILD ANTHEM
(アンコール2)
・RUNNING BLOOD

全16曲



ANTHEMはライブ終了直後に公式ツイッターにて毎回その日のセットリストを公開するのですが
ここまでの計7公演は全てが違うセットリスト。よって今回も何がくるのか予測不能。
毎回のように大きく変えてくるのはスゴいなと、これならば全通する人もやりがいがある。

そしてこの日は1曲目にいきなり、これまでのツアーのセトリには無かった
「ONSLAUGHT」が来てくれて感激しました。この曲はANTHEMで一番最初に聴いた
ベストアルバムの収録曲の中でトップクラスに好きな曲でしたからね。

(↑公式PV、せめてサビの終わりのワンコーラスまでは公開してくれよ・・・)
ボーカルの森川之雄さんの歌唱力や声量はそりゃもう文句無し。
曲と曲の合間のしゃべりまでも迫力がある。大将と呼びたくなるような。
それに加えてギタリストの清水昭男さんの間奏のギターソロが全曲スゴい。
全曲でステージ最前列に乗り上げてテクニカルな演奏とメロディを聴かせるというから、
アニソン系の曲でも間奏のメタルなギターソロが大好きという自分にとっては
そりゃもうたまらん。そんな超実力派ギタリストでありながらも、一方では
Wikiを見れば分かる通りJ-POP系の歌手への楽曲提供などでも活躍しているというから意外。
中でもジャニーズへの提供曲の多さが目立つが、個人的にはAAAの「DRAGON FIRE」が
一番好きです。曲名からしてメタルと思いきや楽曲自体はポップスだったりしますが。

MCはライブ前半の方でベース&リーダーの柴田直人さんが短めにしゃべった程度でしたが
この中では次回公演となる京都MUSEでライブをやるのは27年ぶりという話にビックリ。
27年! 自分がまだ幼児の頃以来ってことか、できれば子供の頃から聴きたかったですよ。
その一方でギターとドラムの2人は最後まで全くしゃべることなく終わってしまいました。
だがライブでのドラムソロやギターソロこそがどんな言葉にも代えがたいほど
熱く心を突き動かされるメッセージだったから、別にしゃべらなくてもネタとか無くてもいい。
最新アルバムのリード曲「THE ARTERY SONG」も期待通り聴くことができて良かった。
「♪今這い上がるのさ 痛みを抱いて 灼熱の炎をまとい」
こんな歌詞の曲ばかりといってはなんだが、これこそが王道で素晴らしいんですよ。
たとえどん底からでも這い上がってやるんだ!って熱く歌ってのけるような曲の数々に
今までどれだけ勇気づけられて励まされてきたか・・・
一方で最新アルバムのタイトル曲の「ENGRAVED」が今回聴けなかったのは
唯一の心残り。一部の会場ではセトリにあっただけに聴きたかったものの、
だがそれでもアンコールの最後で、例のベスト盤で聴いた「RUNNING BLOOD」という
タイトルからして熱血っぷり全開の曲(全曲そうだが)をやってくれたのは予想外で嬉しかったですよ。

ここまでひたすら正統派でカッコいいバンドのライブを体験したのはいつ以来だろうか。
30年以上も活動して数多くの曲をリリースした中から選曲されているだけに
一部聞き覚えのない曲もあったものの、それでも聴けばスッと馴染めて
すぐさま一緒に盛り上がれるほどに、本当にこのバンドはメロディが良い。
ANTHEMみたいな男性ボーカルの正統派ハードロック・メタル系でメロディの良いバンドって
なんで若手にはほとんど見当たらないのだろうか。若手でメロディアスなメタルを
やっているバンドはAldiousやMary's Bloodなどを筆頭に軒並み女性ボーカルばかり、
その一方で男性ボーカルのバンドはメロディレスなメタルコア系ばかりというのは・・・
ならば歌メロが良い曲が好きな自分はガールズメタルを聴こうってなるよな。
それだけにANTHEMのようなバンドにはもっと幅広く評価されて欲しいし、
ANTHEMを目標にするような若手バンドというのもどんどん出てきて欲しい。
当ブログはネタ要員やネタ曲にツッコむことばかりやってるようなブログなだけに
ANTHEMに関しては今までアルバム感想の方すら書いたことがなかった。
どの曲も正統派ジャパニーズメタルで素晴らしいとしか言いようがなくて、
自分みたいな文章力も音楽知識も無い者にはそれしか書きようがないから。
ひたすら熱くて豪快でメロディアスで歌いっぷり演奏っぷりがよくて気迫がこれでもかと伝わる
魂のこもった歌を届けてくれるバンドなんて最高でしかない。大好きな要素全部詰まってる。
今回初めてライブを体験できたことは一生の財産といってもいいほどだと感じました。
なんせ30年以上に渡って活躍し続けているレジェンドですからね。