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2017年7月22日土曜日

[CDレビュー]  田村直美「Santih Santih Santih」


田村直美「 Santih Santih Santih」
(2016/9/21)

1. The future starts today 
2. Against
3. Bhaja Mana
4. Stand and fight!!
5. Starting point
6. Gravity
7. NUDE
8. Santih Santih Santih
9. Fireworks
10. Wonderland
お気に入り度:★★★★★★★★ (8/10)




田村直美の通算10枚目のオリジナルアルバム。
新曲のリリースは2012年のアニメタイアップコレクション&カバーアルバム
「リスペクト フォー アニソン」(レビューはこちら)以来約5年ぶり、
さらに完全オリジナルのアルバム作品は2008年にリリースされた
「Rockfield willow」以来約8年ぶりというからまさに待望の新作。
5年前の時点では本格的にアニソン系アーティスト路線に転向するのかと思いきや
今作は全曲タイアップ無し。これはむしろ残念だと思う気持ちの方が強い。
なぜならこれほどまでの曲を多くの人に知られる機会が無いなんてもったいないと
思わずにはいられないような大傑作曲があっただけに・・・

まず1曲目「The future starts today」はブルージーな雰囲気漂う、
これぞ平成オールドロックとでも呼びたくなるような曲。
いかにも今風な若手バンドがやるギターロックよりもこういう曲の方が
好きだというとおっさん扱いされるのだろうか?ともあれ名曲には違いない。
2曲目「Against」は大冒険へと旅立つかのようなスケール感と開放感に満ちた
アッパーチューンで、サビで突き抜けるハイトーンボイスも素晴らしい。
持ち前の高い歌唱力が存分に生きている。実年齢より30歳ぐらい若い曲に聴こえる。

3曲目「Bhaja Mana」は今年6月に開催されたGacharic Spinとの対バンで
コラボ曲として披露された楽曲(当時のライブレポはこちら)
ラテンテイストの加わったバンドサウンドにはゴージャスさを感じられる上に
「♪女に生まれた幸せ」などといった歌詞がこれまた90年代ガールズロックっぽくて
何だかとても懐かしくて笑ってしまいそうになった。
今の時代ならばこんな雰囲気の楽曲はベッド・インぐらいしか歌わなさそうだ。

そして5曲目「Starting point」、これは田村直美史上最高傑作ではないかとまで思った。
この記事の一番下にあるアルバムダイジェストの3分50秒地点から試聴した
その瞬間から傑作を確信した。圧倒的にキャッチーなメロディに抜群の歌唱力、
とにかく豪快そのもので、それに加えて歌詞もカッコ良過ぎ。
「♪飛び越えるイメージは完成 わき上がれ歓声」なんてまるで
ヒーローが降臨したかのようなアニソン系のロックみたいで、
むしろなぜこの曲にアニメタイアップが無いんだ!?とすら思ってしまった。
間奏のギターソロもこれまたメタリックで最高。こういう曲調の楽曲をもっと聴きたかった。

6曲目「Gravity」はまるで星空のような深遠さを感じるバラード曲。
音の数が少なめな分、楽器のメロディの一つ一つが聴けば聴くほどに響いてくる。
続く7~8曲目辺りは大人のロックといったところか?そしてラストナンバーとなった
10曲目「Wonderland」は「♪止まらない未来を目指して」と自身の代表曲
「ゆずれない願い」のサビをコーラスに加えてきたところが印象的。

今でもこんなに上手い歌を聴かせてくれていて、その上に多彩な楽曲を
自ら作り続けているというのだから、なぜもっと話題にならないのかと思う。
このアルバムの存在が幅広く知られていないことが残念でならない。そういう自分も
Gacharic Spinとの対バンが無ければ今作を聴く機会は一生無かったかもしれない。
やっぱりGacharic Spinとその周辺のガールズロック(アイドル系のロック含む)を
追いかけ続けていれば間違いないと思ったのはさておき、決して過去の人なんかじゃない、
アラフィフガールズロック歌手となってもパワーはまだまだ健在、
昨年のNAONのYAONで共演を果たしたSHOW-YAのババアメタルにも余裕で対抗できるほどの
作品が聴けたのは嬉しかった。ライブでも「Starting point」が聴きたかったですよ。







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