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2015年6月27日土曜日

[CDレビュー]  藍井エイル「D'AZUR」


藍井エイル「 D'AZUR(初回生産限定盤A)(Blu-ray Disc付)」
(2015/6/24)

1. awakening (Instrumental)  
2. IGNITE  
3. ラピスラズリ  
4. ゆらり
5. シンシアの光
6. Quit
7. Bright Future
8. JUMP!!!
9. 幻影
10. ずっとそばで
11. GENESIS
12. ツナガルオモイ  
13. 青の世界
14. BREAK OUT! (Bonus Track)  
お気に入り度:★★★★★★★★★☆ (9.5/10)




藍井エイルの3rdアルバム。
今作も伸びやかでメロディアスなロック・ハードポップ系の曲の数々を
抜群の歌唱力をもって聴かせるアルバムとなっており、アニソン系アーティストの
作品でありながらも、これは近年話題になっている数多くの女性ボーカルバンドの
作品以上に、ガールズロックの王道を行くアルバムなのではないだろうか。
90年代のガールズロック歌手たちの曲を聴いて育った者としては感激モノ。
ボーナストラックに相川七瀬さんのカバー曲が収録されている辺りがこれまた納得の人選。
90年代から時を経て更なる進化を遂げたガールズロックの形がここにありました。

Mステでも披露されたシングル曲「IGNITE」で華やかに幕を開け、
同じくシングル曲である3曲目「ラピスラズリ」では新境地へと足を踏み入れたかのような
幻想的な編曲と、クサメロを聴かせる。歌唱の表現力が曲の良さを一層引き立てています。

さらにアルバムオリジナル曲に関しては中盤の6~9曲目の流れが素晴らしい。
デジロック系の6曲目「Quit」ではダークサイドに落ちていく様をカッコよく歌いあげ、
続く7曲目「Bright Future」では一転して希望に満ち溢れた曲を聴かせてくれる。
この曲は編曲のスケール感が半端ない。コーラスワークにも一体感を感じる。
続く8曲目「JUMP!!!」は躍動感溢れるアッパーチューンで一緒にジャンプしたくなる。
9曲目「幻影」はストリングスを生かしたサウンドで哀愁歌謡ロックを聴かせる。
多種多様な魅力を発揮した歌唱と楽曲の数々が詰まっています。

そして終盤のシングル曲2曲がこのアルバムの中でより輝きを放っている。
11曲目「GENESIS」を初めて聴いた時は、このようなバンドサウンドで聴かせる
ガツンと胸に響くバラード曲に出会ったのは久しぶりだと感じたものですが、
今作の中で聴くともはや神々しさすら感じる。サビのハイトーンボイスに感動。
さらに12曲目「ツナガルオモイ」の王道ガールズロックとしての真っ向勝負っぷりが
これまた最高。とにかく爽快感が半端ないです。

ボーナストラックのカバー曲「BREAK OUT」はデジタルハードポップ系のアレンジが意外。
相川七瀬さんの曲ならば個人的には「Nostalgia」あたりいって欲しかったかなと。
しょこたんがカバーした「恋心」は原曲に忠実ながらも良いカバーだっただけに。
それ以上に今作で唯一と言っていいほどに心残りだったのは、前作でいう「アストラル」
のようなハードロック系の疾走曲が無かったこと。それさえあれば完璧だったのですが。

文句無しに万人にオススメできる作品。おそらくJ-POPを聴いて育った人には
よりハマりやすいと思われる、ポップなロックアルバムです。
しかしその半面、近年の邦楽ロックが好きな皆さんからはエイルさんに関してはほとんど
注目されていないようにも感じますが、しかし音楽好きの誰もが納得できるだけの
抜群の歌唱力と、歌メロの良さを大事にした楽曲があるだけにもっと評価されるべき。
将来的には名実ともに日本を代表する女性シンガーになってくれることを期待したいです。







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