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2015年3月6日金曜日

[CDレビュー]  原田ひとみ「glanzend」

原田ひとみ 1stアルバム「 glanzend 」【初回限定盤】」
(2015/2/4)

1. ルシファーと言う名の翼
2. 疾走論
3. 求愛リアル
4. 共鳴のTrue Force
5. Burnt Red
6. Velvet Crow
7. Chromatic Words
8. Magenta Another Sky
9. Promessa
10. Fly Away
11. Anicca
12. Simpatia
13. MACHINE DOLL
14. Once
お気に入り度:★★★★★★★★★★ (10/10)




声優歌手、原田ひとみの1stアルバム。2011年のデビューから計8枚のシングルを経て
ようやく待望のアルバムリリースということで、1stにしてベスト盤に近い内容の
アルバムを期待してましたが、その高い期待値をも軽く超えてしまうほどの、
「アニソン系アーティストのベスト盤」と言っていいほどの大傑作アルバムになるとは・・・
ということで全曲レビューにいってみましょう。

1曲目「ルシファーと言う名の翼」はデジタルポップの中にストリングスや
弾け飛ぶ電子音などが効果的に加わった、GARNiDELiAのとくさん作曲による新曲。
終盤にロングトーンを聴かせるなど、原田さんの歌唱力の高さも実感できます。

2曲目「疾走論」はストリングスの使い方などが水樹奈々さんの曲っぽくもある
歌謡ロックナンバー。文字通り疾走感のある曲で、今作を知るきっかけとなった名曲。

3曲目「求愛リアル」は前曲以上に歌謡曲テイストの強い曲で、
楽曲だけでなくボーカルまで水樹奈々さんの影響を受けているように感じられる。
だがそれでも曲の良さは抜群。哀愁漂う美しいラブソングです。

4曲目「共鳴のTrue Force」はI'veの井内舞子さん作曲のデジロックナンバー。
サビの高速展開にテンション上がりまくり。メロディの抑揚が大きい上に
歌詞も詰め込みまくりで、歌いこなすのは相当難しそうな曲にもかかわらず、
よくぞここまで聴いていてスカっとさせられる見事な歌唱を聴かせてくれるものだ。

5曲目「Burnt Red」はイントロの時点から電子音のバキバキ感にやられた。
これはI've Soundかと思いきや、作曲はGARNiDELiAのとくさんでした。
編曲のレベルの高さを感じられるトランスナンバー。曲全体の雰囲気が明るいのも良いです。

6曲目「Velvet Crow」はI'veの井内舞子さん作曲による、ミステリアスな雰囲気漂う
ミドル系デジロックチューン。なぜここまで編曲に深みを感じられるのか。
さすがI'veとしか言いようがない。サビのクサメロがこれまた最高です。

7曲目「Chromatic Words」は今作の曲の中でも最もメタリックさを感じる
疾走エモロックチューン。カッコ良すぎとしか言いようが無い。
次の曲と合わせてここまで何回リピートしまくったか・・・
ちなみにこの曲を作詞作曲したuzさんはボカロPの方らしいです。
つくづくニコニコ動画の人気Pの作る曲はレベルが高いと実感させられる。
これからもどんどん人間様に楽曲提供して下さい。

8曲目「Magenta Another Sky」は、これぞ大傑作だといえる最強ロックナンバー。
抜群の伸びを持ったキャッチーなサビのメロディと、同じく抜群の伸びを持った歌唱は、
まさに最強の証。こういう曲を聴こうと思うのならアニソンロックを聴くのが一番。
2012年にシングルでリリースされていたのになぜ今まで存在に気づかなかったのか。
ぜひ1度聴いてみて下さい。聴けば素晴らしさが分かるはず。


9曲目「Promessa」も起伏の大きなメロディとサビのハイトーン歌唱が
聴いていて最高に気持ちいいアニソン系ロックナンバー。
普通に歌うだけでも難易度が高そうな曲を、よくぞここまで豪快に歌い上げるものだ。
今作の中でも最も歌唱の魅力を感じられる曲でございます。

10曲目「Fly Away」は清涼感のあるポップス。今作の中では異色な雰囲気。
夢を歌った歌詞も印象的。ノーベル賞作家や宇宙飛行士と、やたらスケールがでかいのも面白い。

11曲目「Anicca」は和テイストの入ったデジロックナンバー。
パーンと弾け飛ぶ電子音が多用されるのは、さすがとくさん作曲なだけある。
この編曲だけで名曲だと思えてくる。スター性を感じられます。

12曲目「Simpatia」はストレートな喜びを表したラブソング。
「好きなんだ好きなんだ」と歌うBメロ部分の歌唱はキュートかつ元気いっぱいで
聴いていて思わず笑顔になれそうです。

13曲目「MACHINE DOLL」は王道バンドサウンドで聴かせるポップチューン。
サビの伸びやかなメロディと歌唱が最高。なぜ近年はこういう感じの曲が
アニソン系アーティストの曲へと集中しているのか、不思議にすら思えてくる。
それだけ名曲だということです。こういう曲はもっと多くの人に聴かれて欲しい。

14曲目「once」は歌謡曲テイストの強いアッパーチューン。
今作の中でも一番水樹奈々さんっぽい曲を最後に持ってきてしまったが
それでも楽曲が良ければいいんですよと言わんばかりだ。実際良いだけに。


デジタルサウンドからエモロックまで、アニソン系アッパーチューンの魅力の全てが
詰まった作品であると同時に、メジャー感のあるガールズロックが好きな人にも
ぜひオススメしたくなる作品でした。なぜここまで華やかな曲ばかりなのか。
さらに原田さんの歌唱からは、なぜここまで太陽のような明るさを感じられるのか。
今作は聴く人によっては水樹奈々フォロワーだと感じてしまう人もいるでしょうが、
これだけ文句無しに歌唱も楽曲も良ければ別にそんなことは関係ない。
ネット上にて原田ひとみで検索してそこに何を書かれてようがそんなことも関係ない。
奈々さんの作品と違いElements Gardenのメンバーによる楽曲は1曲も収録されてませんが
それでも最高レベルの傑作ができてしまうあたりに、近年のアニソン系アーティストの
作曲家の層の厚さを感じられる。バラード曲無しで最後まで突っ走るアルバムなので
聴く人によっては途中で息切れしてしまうかもしれませんが、
別に14曲全部いっぺんに聴く必要はないですし、今作はぜひ多くの人に聴いて欲しいです。
2015年の私的年間No.1アルバムの有力候補が、2月の時点にして現れてしまった・・・



2 件のコメント:

アニソン鹿 さんのコメント...

「glamzend」を聞いて、えむけーさんが好きそうだなと思っていたら、大好物だったようです(笑)。
今年のアニソン界は、去年以上に名盤のリリースラッシュになると予想しています。
シングルリリースの状況からして、藍井エイルさんなんかも、今年中にアルバムを出すのではと予想しています。

えむけー さんのコメント...

>「glamzend」を聞いて、えむけーさんが好きそうだなと思っていたら、大好物だったようです
アニソン鹿さんもそんなことを思ったんですか(笑)。何人もの人からそう思われるってことはそれだけこの系統の音楽が好きな人が他にいないからなのかなと感じたりもしますね。
藍井エイルさんは間違いなく今年も名盤アルバムをリリースしてくれるでしょう。私的には上坂すみれさんに大きな期待をしています。先行シングル曲の時点からして前作を大きく超えるほどの傑作になることは確実ですね。