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2014年2月3日月曜日

[CDレビュー]  上坂すみれ「革命的ブロードウェイ主義者同盟」


上坂すみれ「 革命的ブロードウェイ主義者同盟【初回限定盤A】」
(2014/1/8)

1. 予感 (Instrumental)
2. 革命的ブロードウェイ主義者同盟
3. サイケデリック純情
4. テトリアシトリ
5. Theme of Dr.AKASO (Instrumental)
6. 我旗の元へと集いたまえ
7. SUMIRE #propaganda
8. 我らと我らの道を
9. 悪夢 (Instrumental)
10. げんし、女子は、たいようだった。
11. 哀愁Fakeハネムーン
12. 真・革命伝説
13. FLYERS
14. 七つの海よりキミの海(アルバムを通して聴いてくれた同志に…)   
お気に入り度:★★★★★★★★☆ (8.5/10)





声優、上坂すみれの1stアルバム。
ソ連・ロシアマニアに加えて筋肉少女帯や戸川純などが好きな音楽マニアとして
ナタリーのインタビュー(記事はこちら)で語っていたのを見た時点で、
そのあまりのブッ飛びっぷりに、思わずファンになってしまったということは
以前のブログ記事にも書いた通りです。そんな彼女の待望のアルバムがリリースされました。

まず1曲目のインストナンバー「予感」では、エレクトロ系のサウンドに加えて、
ラッパの音、さらには同盟結成を呼びかける内容のセリフが入ってくるという
インスト曲にしていきなり上坂すみれワールド全開の曲です。
そして2曲目「革命的ブロードウェイ主義者同盟」では、前曲に引き続いて
エレクトロ系のサウンドにのせて、革命を起こせと聴き手に歌いかける。
無機質なボーカルはアーバンギャルドの影響か。しかしこの曲に関しては、
聴くうちにこのボーカルも含めて不思議な魅力を感じ取ることができる。
3曲目「サイケデリック純情」はYMO風のテクノポップサウンドにのせて
ファンタジーな歌詞世界が広がる名曲。「七色のキノコ」というフレーズは印象的。
そしてこんな曲でも後半に「団結」「反抑圧」といったフレーズを入れてしまうのは
どういうことなんだと思わずツッコみたくなるが、それも含めて面白い!
4曲目「テトリアシトリ」は桃井はるこさん作詞作曲のテクノポップ。
サビは印象に残るが全体的にはサウンドが地味かなと。
インスト曲を挟んで6曲目「我旗の元へと集いたまえ」で初めてバンドサウンドの曲が。
メタル風のイントロから始まり、サビは一昔前のヒーローソングっぽい。これは良い。
7曲目「SUMIRE #propaganda」では再びテクノ系ナンバーに。
しかしこの曲は歌メロが微妙かな・・・歌詞はどんだけソ連・ロシアが好きなんだと。
8曲目「我らと我らの道を」はサウンドまで含めて完全にソ連。
ここまでロシアンテイストな行進曲を歌う歌手が、今まで日本のメジャー音楽シーンに
存在したことはあるのだろうか。「行進!行進!」は一度聴けば耳から離れないです。
そしてインスト曲を挟んで10曲目「げんし、女子は、たいようだった。」は
サウンドもさることながら歌詞が良い。聴いていて楽しい。ポップなラブソングの中に
「ヲタもサブカルも どっちだっていいじゃない」というフレーズが
ピッタリとハマっているのも見事。本当にその通りですね。
ちなみに公式PVではカブキロックスとのコラボが最高に面白かったのですが、
こちらのアルバムバージョンには、よーっ、ポン!は入っていないです。
11曲目「哀愁Fakeハネムーン」は昭和のアイドルポップス風の曲。
作詞が森雪之丞さんだとは、これまた本格的だなと。
12曲目「真・革命伝説」も歌謡曲っぽい曲ながら、
同時にヨーロピアンテイストも感じられるという編曲が面白い。
歌詞はまたしても革命へ向けての戦いを挑むという内容。
13曲目「FLYERS」はシンフォニックなイントロから始まるバンドサウンドが良い。
ピアノやギターの旋律も魅力的。6曲目同様に歌詞も含めて一昔前のアニソンっぽい。
この曲が今作の実質ラストナンバーです。
そして14曲目に収録されている「七つの海よりキミの海」ではイントロが始まるなり、
上坂すみれさん自身によるアルバムのストーリー解説が始まるというまさかの展開。
1番のAメロとBメロをつぶす形で延々と語り続け、曲が始まるのは1番サビから。
ド派手な編曲に加えて、間奏でロシア民謡まで登場するミクスチャーっぷりがスゴい、
これほどまでの名曲を、アルバムではボーナストラック扱いにしてしまうとは・・・

まさに個性爆発のアルバム作品。
サウンド的には弾けきれていないと感じた曲もあったのと、
何より「七つの海よりキミの海」はちゃんとフルコーラスで収録して欲しかったという
思いがあったので、物足りなさを感じた部分もありましたが、
それでもここまで我が道を突っ走ってしまう姿はお見事の一言です。音楽は自由だ。
やっぱり音楽って楽しいよな!と心から感じることができた作品でした。
これからも、彼女が起こす革命についていきたいです。







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