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2012年6月6日水曜日

[CDレビュー]  ザ・コブラツイスターズ「ウヅキ」


ザ・コブラツイスターズ「 ウヅキ」
(2005/4/21) 

1. サクラサク平成十七年 
2. どんがらがっしゃん
3. チャンス到来 
4. UFOガールと地底ボーイ
5. 今宵は無礼講 
6. 白い砂 
7. 三日月夜 
8. 最後の約束 
9. マグマロック 
10. 無限∞
お気に入り度:★★★★★★★★★ (9/10)




ザ・コブラツイスターズの通算5枚目のアルバム。メジャー復帰作となったアルバムです。

まずこの作品を聴いて一番良かったと思ったことは、
前作や前々作などでずっと感じていた、「シングル曲に比べるとアルバム曲が・・・」
という楽曲の質の差が、今作では無くなったこと。
1曲目に収録されている、2000年のシングル曲のリメイクである
「サクラサク平成十七年」は、彼らの曲にしては珍しく(?)売れ線の曲ではあるものの、
私的にはむしろその後のアルバムオリジナル曲の方がはるかに好きなぐらいです。

まるで日本海の荒波が目に浮かんでくるような荒涼としたサウンドと、
地の底から沸き上がるかのような魂の叫びを聴かせてくれる「どんがらがっしゃん」、
コテコテの演歌・歌謡曲的メロディを持ったロック曲で、ラストの三線の演奏の迫力は
津軽三味線の吉田兄弟の曲並みの勢いを感じる「チャンス到来」、
今までにもなかった独特の世界観、これぞまさに異次元との出会いを歌った曲
「UFOガールと地底ボーイ」、この2~4曲目は本当に素晴らしい!

さらに中盤以降の曲も、笛の音が印象的な宴会ナンバー「今宵は無礼講」、
彼らの曲としては異色な、三拍子のリズムが特徴なワルツ風の曲「三日月夜」
などといった曲がなかなかのインパクト。

そして今作の極め付けは9曲目の「マグマロック」。
彼らの真骨頂ともいうべき熱い曲で、それに加えて社会風刺の効いた歌詞が印象的な、
今の世の中への怒りを込めた曲。これはサウンドだけ聴けばカッコいいのに・・・
しかし、その歌詞に出てくる怒りの対象というのが、
まず最初に、電車で化粧をする女子高生に対して向けられているのはどうなんだ!?
ある意味面白いとも言えるけどこんなチープな話題の歌詞で本当に良かったのか!?
そもそも、この日本の音楽シーンにおいて、
女子高生にウケそうな曲を作る人はいっぱいいるでしょうが、
それとは逆に、女子高生に説教する曲を作ってしまうのは彼らぐらいでは!?
この何事にも媚びない姿勢という点においては、やっぱりスゴいなと。

ただ最後、ラスト曲の「無限∞」だけ個人的に印象が薄かったのは惜しい。
タイトルで期待しただけに。これさえ良ければほぼ完璧だったのに!


しかしそれでも、今作は1stアルバムの次ぐらいにインパクトのある名作アルバムだったと思います。
そして、次作にて「日本見聞ロック」という、これをも超えるぐらいの大傑作アルバムをリリースするも、結果的にこれがラストアルバムとなってしまいその後解散。
本当に惜しいバンドを亡くしてしまった。私の中では一生モノの、伝説のバンドでした。



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