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2012年5月17日木曜日

[CDレビュー]  「ザ・コブラツイスターズII」

ザ・コブラツイスターズII」
 (2001/3/23) 

1. 地上に墜ちた星達 
2. 魂交差点 
3. 命が生まれた日 
4. 風が吹いたら
5. 美しき世界 
6. 甦る人々
7. かえりみち
8. 鋼鉄一代男
9. 落陽
10. からまる糸 
11. 横たわる川 
12. マーブイユシ~魂寄せ~
お気に入り度:★★★★★★★★★ (9/10)





2001年にリリースされた、ザ・コブラツイスターズの2ndアルバム。
この作品全体から感じられるものは、大自然のスケール感と生命の息吹。
そしてその中で生きる人々達の人間模様。

名曲揃いのアルバムですが、その中でもシングル曲4曲はどれも本当にすごい。
亡くなった人への思いが込められた曲で、輪廻転生を歌った歌詞と、
三線の音色が美しいバラード曲「甦る人々」はこの作品の中でも一番の大傑作。
そして、同じく三線を取り入れた島唄系ナンバーで、さらに後半の曲の盛り上がりには
思わず踊り出したくなる「マーブイユシ~魂寄せ~」といった曲も良い曲で、
これらは、与論島出身のボーカルの川畑さんの色が出たナンバーともいえるでしょう。

しかしそれ以上に、本当にこれはある意味すご過ぎるだろと思ったシングル曲は、
都会の真ん中で魂を燃やす人々の姿が描かれた、骨太ロックナンバー「魂交差点」と、
同じくロック系の曲で、完璧な世界は何かというのを求めて自問自答を繰り返す、
ひたすら熱くて堅っ苦しくて哲学的な「美しき世界」、この2曲です。
こんなにも、売れ線からはかけ離れた歌詞の曲を、
堂々とシングル曲で出してしまうようなアーティストはこのバンドぐらいでしょう!
まさに次元が違う。あまりにも我が道を行き過ぎてる。世間一般で人気の、
特に若い女性からウケそうなラブソングなんてのはこの作品にはほとんどない。
あえて挙げれば11曲目の「横たわる川」ぐらいか? しかしこの曲も、
まるで大自然の風景をバックに2人の愛を描いたかのようなスケール感を感じる。
個人的には、そんなところこそがたまらなく好きだった! 最高だ!
これが評価されない方が間違ってるとすら思う!

ただ、アルバムオリジナル曲にメロディが弱く感じた曲が多かったのは惜しい。
シングル曲並みに良かったのは「落陽」「からまる糸」ぐらいかなと。
歌メロの良さに関しては、やはりシングル曲の方がキャッチーさがあって良かったと思います。たとえ歌詞がこんな内容であったとしても・・・


本当に惜しいバンドを亡くしてしまった。
もうこんなバンドはメジャーの音楽シーンには出てくる姿が思い浮かばない。
せめてロックファンかもしくは沖縄音楽ファンからだけでも高く評価されるべきだったのに。


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