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2011年12月20日火曜日

[CDレビュー]  中島みゆき「真夜中の動物園」



中島みゆき「 真夜中の動物園」
 (2010/10/13) 

1. 今日以来 
2. 真夜中の動物園 
3. まるで高速電車のようにあたしたちは擦れ違う
4. ハリネズミだって恋をする 
5. 小さき負傷者たちの為に 
6. 夢だもの 
7. サメの歌
8. ごまめの歯ぎしり 
9. 鷹の歌 
10. 負けんもんね
11. 雪傘(ボーナストラック) 
12. 愛だけを残せ(ボーナストラック)
お気に入り度:★★★★★★★★ (8/10)





中島みゆきの通算37枚目のオリジナルアルバム。
タイトル通り、今作は動物園というコンセプトによって作られた作品で、
人々の姿を動物に例えた歌詞の比喩表現のうまさが光る作品となっています。
過去36枚もオリジナルアルバムを作りながら、まだこのような新しいアルバムのアイデアが湧いてくる、これはつくづく天才としか言いようがないと思います。


さらに、今作は「ソフトロック」というコンセプトも掲げられた作品となっていますが、
一方で荒々しい曲がほとんど無いため、個人的にはおとなし過ぎる印象も持ってしまいました。
シングル曲「愛だけを残せ」も、このアルバムに収録されたバージョンではうって変わって
アレンジも歌い方も穏やかで、全く違う印象の曲となっていますし、
その点、今作は同じロックでも前々作の「I Love You, 答えてくれ」とは対照的な作風といえるでしょう。


そんな中でも特に印象に残った曲は、今までの人生に後悔しつつも前向きな世界観が素晴らしい「今日以来」、サビの盛り上がりが今作一番の「まるで高速電車のようにあたしたちは擦れ違う」
ラテン風味のアレンジが利いた「ハリネズミだって恋をする」などでした。


しかし、やはり彼女のアルバム作品は、優しさと激しさが表裏一体となった作品こそが
真骨頂だと思ってますので、次回以降はそういう作品を期待したいです。
とはいえこの作品も、歌詞やコンセプトの質の高さはさすがの一言なので、大いに聴く価値はあるでしょう。


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