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2016年9月10日土曜日

[CDレビュー]  田所あずさ「It’s my CUE.」


田所あずさ「 It’s my CUE.(初回限定盤)(Blu-ray Disc付)」
(2016/7/6)

1. Come on,A-Z!!(before the CUE)
2. It’s my CUE.
3. Fighter’s high
4. spit out
5. 君との約束を数えよう
6. 孤毒ディストレス
7. 夜はいつか朝になる
8. 世界が終わったあとの夜
9. ALERT from THE END
10. アンソリティア
11. 英雄なんていない
12. DREAM LINE (CUE mix)
13. Straight Forward
14. Boom! Boom!
15. 純真Always
お気に入り度:★★★★★★★★☆ (8.5/10)




田所あずさの2ndアルバム。声優歌手の作品でありながら今作はロックにこだわって
制作されたそうで、まず1曲目「Come on,A-Z!!(before the CUE)」のテンポの速さには
まるでUNISON SQUARE GARDENの田淵さんが提供したLiSAさんの曲みたいだなと思いきや、
本当に田淵さん作曲だったのか!とクレジットを後から見て笑ってしまった。
アルバム前半の楽曲を中心にLiSAっぽい曲が多いなと感じたものの、
7曲目以外は全てアップテンポ曲なので聴いていて盛り上がれる作品。

作曲家の陣容はアニソン系アーティストの作品でよく見る名前がズラリと並ぶだけに
どの曲も安心して聴ける。その中でもとりわけ目立った曲を挙げると、
まずは元Elements Gardenの中山真斗さん作曲の8曲目「世界が終わったあとの夜」。
前半バラード調から曲が進むにつれ勢いを加速していくアコースティックロックナンバーで
展開美を存分に感じられる編曲が素晴らしい。哀愁漂うサビメロの良さも印象的で、
これほどまでの曲が作れる作曲家がエレガを辞めたとはチャレンジャーだ。ぜひこれからも活躍して欲しい。
9曲目「ALERT from THE END」はアニサマにも出演したギタリストの山本陽介さん作曲。
これはLiSAさんというよりもどちらかというと黒崎真音さんのアルバムに入ってそうな
エモロックナンバーで、悲壮感漂わせながらも必死に突き進むかのように歌う姿が
たまらなくカッコいい。曲後半のCメロも良い。「消えたいのかい」のリフレインは
一度聴けば耳から離れない。今作の曲の中では一番のお気に入り。
14曲目「Boom! Boom!」は俊龍さん作曲のパンキッシュなタオル回しソング。
ライブで聴けばもっと好きになるんだろうなと思う。サビのキャッチーさはこの曲が一番。

その一方で今作では5、12、15曲目に収録されたシングル曲が弱く感じたのは
何とも惜しいところで、全体的にもやはりLiSAフォロワーという域を出ていない。
歌唱の方はアルバム後半の曲にてハイトーンボイスを張り上げたりと
頑張っているのは伝わってくるが、やはりLiSAさんの声質の強さに比べると
現状ではまだ歌手としてこれといった特徴が無いような気がする。
声優歌手によくある、曲ごとに歌声が変わるといったことも今作には無かっただけに・・・

これからは歌手としてどういった進化をしていくのかに期待したいところ。
8~11曲目の流れが良かっただけに、こういったアニソン系アーティストの曲ならではの
スケール感のある曲展開を持ったロックやパワーポップ中心でいってくれれば嬉しいですけどね。







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