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2016年8月18日木曜日

[CDレビュー]  Fuki Commune「Welcome!」


Fuki Commune「 Welcome! 【初回限定盤】」
(2016/6/22)

1. Welcome to my dream -Instrumental-
2. 月が満ちる前に
3. 輝く夜へようこそ!
4. I’ll never let you down!
5. 僕が生きる世界
6. 朝な朝な
7. 狂い咲け雪月華
8. 青い季節に
9. Liberator
10. 未来
11. Sail on my love
お気に入り度:★★★★★★★★★ (9/10)




Fuki Communeの1stアルバム。惜しくも活動休止となった実力派HR/HMバンド
「LIGHT BRINGER」のボーカル、さらにはGacharic Spinの楽器隊4人と組んで結成された
スペシャルガールズバンド「DOLL$BOXX」などのボーカリストとして活躍してきた、
Fukiさんによるソロプロジェクトとしてリリースされた作品。

先行シングル曲「輝く夜へようこそ!」がアニメ「怪盗ジョーカー」の主題歌となり、
さらにその後もゲームソングを歌ったりNHKFMのアニソンアカデミーに出演するなど、
ソロ転向と同時にアニソン系アーティスト路線へとシフトチェンジしつつあるようで、
(実際近所のCDレンタル店ではアニソンコーナーにこの作品があった)
それに合わせてアルバムの作風もLIGHT BRINGERの頃と比べると全体的に明快になった印象。
序盤の2、3曲目に代表される、シンセを多用したキラキラ感満載のロックナンバーは
どちらかといえばDOLL$BOXXの作風に近い。
実際のところは今作の作曲者にGacharic Spinのメンバーはおらず、
LIGHT BRINGERのメンバーであったmaoさんが11曲中9曲の作曲を担当しているのだが。

ヘヴィメタル界の女性トップボーカリストだっただけに歌唱力は今更言うこと無し。
パンチ力満点で聴いててスカっとさせられる。豪快で明るい曲ももちろん良いのだが、
元々このボーカリストは5、10曲目のような適度にダークテイストの入った曲の方が
カッコ良さ抜群でより大きな魅力を発揮できる歌手だと思う。
5曲目のミドルテンポ曲「僕が生きる世界」は哀愁漂う歌唱、間奏のシンセソロ、
アウトロのギターなどにもシビれさせられ、曲の最初から最後まで聴きどころ満載。
7曲目「狂い咲け雪月華」は陰陽座リスペクト曲。10曲目のロックバラード「未来」は
曲後半にいくほどに加速する展開がドラマチック。ギター大活躍の間奏だけでも聴き応えある。
こういった曲はハードロック・メタル歌手の作品としての魅力健在で良かったと思う。

だが今作最大のキラーチューンは、疾走感抜群のメロスピナンバーである
4曲目「I’ll never let you down!」でしょう。これは歌唱もメロディも最高、
さらに自作の歌詞もダークな表現と前向きな表現がうまく組み合わさっていて抜群にカッコいい。
「釣り餌を選ぶ魚じゃ 無口がお似合いね」「飼い猫じゃない 野鳥のように名前無き自由を」
といったフレーズを聴くだけで文字通り動物的本能を呼び覚ましてくれるかのよう。
血がたぎる、興奮させられる、生命力が湧いてくる、ライブでヘドバンしたくてたまらない気持ちになる。
ぜひ9月のElectric Lady Loudに出て欲しい。第3弾発表で名前が出ることを願ってますよ。

LIGHT BRINGER時代には無かったアニメタイアップをもらえたのはソロ転向の新たな収穫。
ずっとメジャーに所属していたにもかかわらずなぜ今までもらえなかったのかが不思議だった。
これほどまでに抜群の歌唱力があり、メタルを聴く人ならば誰もが知っていた女性歌手が、
世間的には全くといっていいほど知られる機会がなかったのはあまりにも不遇だった。
ソロデビューをきっかけに、ぜひこれから野鳥のように大きく羽ばたいて欲しいです。









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