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2016年7月22日金曜日

[CDレビュー]  JAM Project「AREA Z」


JAM Project「AREA Z」
(2016/6/29)

1. Gate of Territory (instrumental)
2. NAWABARI~背徳のシナリオ~
3. AREA Z~Song for J-Riders~
4. 刃~the divine blade~
5. ASESINA
6. WE ARE ONE
7. Survive
8. Treasure in the sky
9. Magical Mystery Spice~マジスパのテーマ~
10. THE HERO !!~怒れる拳に火をつけろ~
11. ギアナ高地
12. Fragile
13. J-RIOT
14. Growing up
15. SHORT STORY-life is beautiful-
お気に入り度:★★★★★★★★★☆ (9.5/10)




JAM Projectの通算4枚目のオリジナルアルバム。
シングル曲は1曲のみで、収録曲の大多数はタイアップ無しの完全オリジナル曲。
2010年リリースのオリアル「MAXIMIZER ~Decade of Evolution~」の衝撃は、
自分のリスナー人生史上最大級でした。決して誇張でも何でもなく、最大瞬間風速を叩き出した。
さすがにそれと同じぐらいのものを期待するのは酷だと分かっているものの、
それでも前ベストアルバムにあったマンネリ感は吹き飛ばせるに十分なほどの名作でした。

今作はまず何と言ってもリードトラックである2曲目「NAWABARI~背徳のシナリオ~」
に驚かされた。アウトロー的な雰囲気がプンプン漂う、重厚感あるミドルチューンで、
メンバー5人による歌のリレーとコーラスワーク、緻密に作り込まれた編曲などが
聴けば聴くほどにスゴみを感じる。デジロック系の曲は今までにもあったが
この曲は唯一無二の輝きを放っている。夜の街を舞台にして輝いている。
月に向かって吠える声や、ピー音が入ったりするところなどまで含めて
たまらなくカッコいい。鳥肌が立つほどカッコいい曲とはこのような曲のことを言うのだ。

さらに9曲目「Magical Mystery Spice」も今までには無かった曲で驚かされた。
南アジア~中近東辺りの民族音楽の影響を受けたサウンドに深遠さを感じられる。
シンセを中心とした編曲でここまで独自のエキゾチックな雰囲気を出せるとは・・・
メンバー5人の歌声が溶け合うことでより魅力的な曲になっているのは言うまでもない。
「マジックスパイス」というカレー店のテーマ曲ということで、これはまた店にも行かないと。

これほどまでに新たな魅力を発揮した曲がアルバムの序盤と中盤に入っていれば、
3、5、7、10、13曲目などといった王道ロックナンバーもより一層生きてくる。
その中でも、ワンパンマン主題歌としてスマッシュヒットした10曲目
「THE HERO !!~怒れる拳に火をつけろ~」はシングル曲で唯一今作に収録されたのが
大ファインプレーだと言える、これぞアルバムの核となる傑作曲。
ギターリフもサビメロの良さも文句無し、それに加えて次々飛び出すシャウトが圧巻。
さすがハードロック・メタル系アニソンの本家本元だと言いたくなる曲ですよ。

疾走デジタルチューンとロックサウンドが融合した「刃~the divine blade~」
ファンタジックで冒険心をかきたてられるポップチューン「Treasure in the sky」
最果て感のあるバラード「ギアナ高地」といった曲もアルバムの多彩な魅力の1つとなっている。
6曲目「WE ARE ONE」や12曲目「Fragile」は洋楽ポップス風のおしゃれな曲。
こういうのは普段から聴かない曲なだけにJAMでもやっぱりあまり聴かない曲になるのだが・・・
それでもこの音楽性の幅の広さはアニソン系アーティストならではの良さである。

今作を聴けば、未だにJAMの音楽は進化を続けていることがよく分かる。
2、9曲目には、まだこんな引き出しがあったのかと感心させられた。
元々このグループはとてつもなく音楽性が高いと、もっともっと評価されるべきであると
当ブログでは何年も前から書き続けているのだが・・・それだけに今回久しぶりに
自信を持っておすすめできるほどのオリジナル作品を出してくれて良かったと思います。








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