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2016年4月29日金曜日

[CDレビュー]  ももいろクローバーZ「AMARANTHUS」


ももいろクローバーZ「 AMARANTHUS【初回限定盤(CD+Blu-ray)】」
(2016/2/17)

1. embryo -prologue-
2. WE ARE BORN
3. モノクロデッサン
4. ゴリラパンチ
5. 武陵桃源なかよし物語
6. 勝手に君に
7. 青春賦
8. サボテンとリボン
9. デモンストレーション
10. 仏桑花
11. 泣いてもいいんだよ
12. Guns N’ Diamond
13. バイバイでさようなら
14. HAPPY Re:BIRTHDAY
お気に入り度:★★★★★★☆ (6.5/10)




ももいろクローバーZの3rdアルバム。
今作は人が生まれてから死ぬまでの一生を描いたコンセプトアルバム。
壮大なストーリー性を持った作品で、なおかつ楽曲提供者のメンツが非常に豪華。

まずインストを経て、2曲目の「WE ARE BORN」で誕生の瞬間を華々しく歌い上げたのを
聴いた時点では期待したものですが・・・元々このグループは歌唱力に難があるだけに、
続く3曲目や、7、10、14曲目のようなバラード曲では楽曲の魅力を十分に引き出せていない。
さだまさしさん作詞作曲の10曲目「仏桑花」などは、
もっと歌の上手い女性歌手に歌わせていれば名曲になったはずだったのに。
続く中島みゆきさん作詞作曲の11曲目「泣いてもいいんだよ」は
豪快さを感じさせつつもポップかつダンサブルに仕上げていてこれはこれで良さがあるが、
やっぱりみゆきさん本人歌唱バージョンの方がいいよなぁ。
このような背伸びし過ぎた感がある曲よりも、イントロからして90年代ポップスを
彷彿させるような応援歌である6曲目「勝手に君に」のような曲の方が合っているように思う。
なおこの曲はヤンキースの田中将大投手の登場曲として作られた曲。
野球選手のオリジナル入場テーマ曲というだけで個人的名曲確定ですからね。

だがそんな今作の中でも、豪華作家陣が提供した曲の中でダントツで傑作な曲がある。
それは4曲目の「ゴリラパンチ」。この曲ではSEX MACHINEGUNSのANCHANGが作詞とギターで参加。
メタリックなギターの旋律と、元気いっぱいな歌唱がハードポップ系の曲の中で輝いている。
さらに歌詞もキャラに合っていて素晴らしい。熱いことをダサいこと扱いする風潮や、
おしゃれぶった若者が増えたことに喝を入れ、ゴリラのようにたくましく生きろと歌う。
これは近年の音楽シーン全体に対してのメッセージであるようにも聴こえるのはさておき、
アイドルグループに「♪ウッホウッホ」などと歌わせて、それが見事にハマるというんだから
やはりももクロは、このようなコミカルでエネルギッシュな曲を一生懸命に歌うことで
最大限の魅力を発揮するアイドルグループではないかと思う。

ジャンルの壁を超えて様々なアーティストとコラボするという試み自体は面白いことであり
その功績は確かなものがあるが、現状では合う合わないの差が出てしまっている。
これは聴く人によっても違うものなのでしょうが、これまでのアルバムを聴いた限りでは
ヒャダインが楽曲提供したアッパーチューン中心の1stアルバムが一番良かったよなと思ってしまう。
今こそ原点に帰って、全力さを存分に発揮できる曲中心に歌って欲しいところですが・・・







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